「がん保険って必要なのかなぁ…?」
「2人に1人はがんになる時代だっていうけど…」
「みんな入っているらしいなぁ…」
この記事では、あなたのそんな悩みや疑問を解消します。
がん保険はほとんどの人に不要な保険ということになります
Contents
そもそもがん保険とは何か?

そもそもがん保険とはなんでしょう?
がん保険とは、がんになった時にお金が出る金融商品です。
通常の医療保険であれば、病気全般に対して保証されるものが多いですが、このがん保険は特に「がん」という病気に対して特化した保険です。
この記事では「がん保険」は必要かについて色々な側面から解説していきます。
2人に1人は「がん」になる時代は本当?

この章では、2人に1人は「がん」になる時代が本当なのかについてみていきます。
あなたはこういった会話を聞いたことがありませんか?
私は実際に職場の先輩や上司から「がん保険」の加入を勧められたことがあります。 その時も全く同じ言葉を言われました。
果たして、「2人に1人はがんになる時代」というのは正しいのか、詳しいデータを織り交ぜて解説していきたいと思います。
あなたが「がん」になる確率は何%?
生涯で「がん」にかかる確率は男女ともに50%ほどあります。
そうなんです。
これはあくまで生涯で見た時の話です。 つまり、全年齢のデータを集めたに過ぎません。
次の例を見てください。
質問 :現在20歳の男性が40歳までの20年間に「がん」になる確率って何%だと思いますか?
かなり低いですね。
ちなみにこのデータは、「国立ガン研究センター」の調査なのでかなり信憑性があると言えます。
質問
:では40歳の男性が60歳までの20年間に「がん」になる確率って何%だと思いますか?
これを見ると職場の先輩や上司、保険屋さんのいう「2人に1人はがんになる時代である」という言葉は必ずしも全年齢に適用される言葉ではないということが分かりますね。
各年齢、性別ごとのがん罹患率は「国立がん研究センター」のホームページがわかりやすいです。
2人に1人はがんになる時代は正しい表現ではない
生涯で見れば確かに2人に1人はがんになる
でも各年齢でみていくとリスクは全く違う
保険料から見る「がん保険」の必要性について

この章では、がん保険の保険料から必要性について考えてみましょう。
最初に指標となる条件を設定していきます。
【条件】
- 男性
- がん診断給付金200万(がんと診断された時貰えるお金)
- 先進医療保障2000万(がんに関わるもの)
- 終身保険(70歳まで加入できるものとする)
それでは試算に移りましょう。
試算1
20歳からがん保険に入った場合の保険料
シミュレーションサイトで条件を当てはめていくと、大体月額2,600円位となりました。
つまり、
2,600円×12ヶ月=3.12万円
3.12万円×50年=156万円
こちらが70歳までに払い込む金額になります。 この期間で対象のがんになれば「200万円」が貰えると言うわけですね。
ちなみに20歳の人が70歳になるまでにがんにかかる確率は21%くらいだそうです。
試算2
30歳からがん保険に入った場合の保険料
シミュレーションサイトで条件を当てはめていくと、大体月額4,100円位となりました。
つまり、
3,700円×12ヶ月=4.44万円
4.44万円×40年=177.6万円
こちらが70歳までに払い込む金額となります。 この期間で対象のがんになれば「200万円」がもらえます。
ちなみに30歳の人が70歳になるまでにがんにかかる確率は21%だそうです。
ここまでの情報を整理しましょう。
20歳の人も30歳の人も70歳までに大体21%の確率でガンになる。
20歳の人は70歳までにトータル156万円支払い、がんになれば200万もらえる
30歳の人は70歳までにトータル177.6万円支払い、がんになれば200万もらえる
これを見ると、トータル支払額とがんになったときの「給付金200万」にあまり差がないことが分かります。
つまり、「がん保険」に加入すると手元に残るお金が0円もしくはがんになって200万円。
そのままがん保険に入らず貯金しておくと、156万円か177万円のどちらかが手元に残っているということになります。
貯金でいいんじゃない? って思いませんか?
余談ですが、月に3,000円ほどの掛け金を投資に回すと、「日本の年金」並の安定運用をしたとしても50年で400万円超まで増えます
実際にがんになったときにかかるお金ってどれくらい?

この章では、実際にがんになったときにかかるお金から、がん保険の必要性について考えていきたいと思います。
このように、「がん」になった時に実際いくらかかるのかは分からないのに「がん保険」は必要だと声高に主張する人がいます。
そこでこの章では、実際にお金がどれくらかかるのかを計算してみましょう。
がんの治療法と主な費用目安
がんの治療法は主に3種類あります。
- 保険診療:保険内で行う「手術」「薬物療法」「放射線治療」など 目安は100万程度
- 先進医療:陽子線、重粒子線治療など 目安は300万円程度
- 民間療法:その他の治療 目安なし(ピンキリ)
実際には前後するものと思われます
保険診療の場合の自己負担について
だからがん保険は必要だって言ったじゃないか!
例えば、保険診療の場合をみてみると100万円が目安と先ほど書きましたが、「健康保険」に入られている方であれば3割負担なので窓口負担が30万円になります。
さらに、この30万円を払えばいいのかというとそうではなくて、ここから「高額医療費制度」を使うことにより私たちの負担はさらに小さいものとなります。
高額医療費制度とは:同じ月の中で医療費が高額になった場合、一定額以上の支払いは国が行いますよという制度。
下記で分かりやすく例にしてみます。
条件:
- 健康保険に加入している
- 標準報酬月額が35万円の人(標準報酬月額とは)
- 医療費が1月の間に50万円かかった
この場合にかかる医療費の計算は以下の通り。
80,100円+『500,000円-267,000円』×1%
という計算式になり、自己負担額は82,430円となります。
ご自分の標準報酬月額によって計算式が変わるので、こちらで確認してください。
このように、高額の医療費がかかったとしても、自己負担額は貯金でまかなえる金額ぐらいにしかならないので、わざわざ保険で備える必要はないと思われます。
保険診療の場合は「健康保険3割負担」と「高額医療費制度」が使えるため、自己負担額はそれほど大きくならない
先進医療を使った場合の医療費
先進医療は、「健康保険」が使えない治療法です。
そのため医療費が数百万単位かかる場合があります。
確かに、「陽子線治療」や「重粒子線治療」など「先進医療」には多額のお金がかかります。
そのため、これに備えるには「がん保険しかない!」という論調も一理あります。
しかし、その「先進治療」を使う確率の方をみてみるとどうでしょうか?
2016年に新たに診断されたがんは995,131例だそうです。(参照:国立がん研究センターがん情報サービス)
同じ2016年に「陽子線治療」と「重粒子線治療」をされた方は合わせて4,000件弱だそうです。
つまり、「先進治療」を受ける確率は0.4%とかなり低いということになります。
そもそも先進医療を利用する確率はかなり低い
2人に1人が「がん」になるというのは誇大表現である
がん保険の総支払額は「がん」になった時にもらえる額とそう変わらない
がんになっても「健康保険」や「高額医療費制度」などの手厚い保障あり
「先進医療」はそもそも使う人の数がかなり少ない
我が家の場合は不要と判断しましたが、「正解」なんてそもそもないので個々で判断する必要がありますね
がん保険に入るよりもするべきこと

がんに対する予防策として、「保険」に入るというのは得策とは言えません。
なぜなら、「がん保険」というのは「がん」になったときにお金が出るというだけの仕組みで、治ることを保証するものではないからです。
ですから、がんに対する対策として最も大切なことは「早期発見」をするための健康診断に行くことです。
がんは昔こそ怖いものというイメージでしたが、今はだんだん治る時代になってきました。 (もちろんステージが進んでしまえば治る確率も減りますが。)
人生で1番大きなリスクは「死」です。
お金ももちろん大事ですが、リスクとリターンをしっかり考えて定期的な健康診断に行くようにしましょう。
がん保険は必要か?不要か?【まとめ】

「2人に1人ががんになる時代」というのはやや誇大表現である。
実際には、全年齢のデータを集めた場合には「2人に1人ががんになる」というのが正しい表現。
20歳が今後20年でがんになる確率はおよそ、0.8%
30歳が今後20年でがんになる確率はおよそ、6.8%
また一般的ながん保険の総支払額を見ると、
20代から加入した場合の総支払額が156万円
30代から加入した場合の総支払額が177万円
と、「がん」になった場合もらえる200万円とそれほど差がない。
そのため、筆者の主張は「貯金で備えるで良いのではないか」となります。
がんになった際にかかる医療費も次の制度を使うことにより自己負担はかなり少ない。
健康保険(3割負担)
高額医療費制度(一定額以上の支払いは国が払ってくれる)
先進医療に対しては、そもそも受ける人が0.4%ととても少ない。
これらを踏まえると、結論は下記のようになります。
がん保険は基本的には不要である
もちろん、「私はがんになる自信があるという方」や、「がん保険」に入っていないと不安という方は加入しましょう。
私はどちらかというと「がん保険に入ること」よりも「定期検診にいくこと」を重視するべきだと考えます。
お読みいただきありがとうございました!

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